ドン・ジョヴァンニ #2 ハルモニームジーク vol.15

ドン・ジョヴァンニを思い起こしてみる#2

#1はこちら。


自分が演奏に参加しないで改めてオーケストラのトリオ版が良いなと思った序曲から舞台が始まります。(前回の記事はこちら


まずは主役ドン・ジョヴァンニを演じる山口哲路!!

ドン・ジョヴァンニの自己紹介から始まります。


「そう、俺はプレイボーイだ!!」


ドン・ジョヴァンニ役のてっちゃんはピアニストの真優ちゃんと国立音大の同期。つまりこの時、卒業式を間近に控えた学生です。彼はこのオペラ企画の第一弾「フィガロの結婚」の時から参加してもらってます。第二弾「コシファントゥッテ 」からはアリアの選曲の打ち合わせにも参加してもらい練習でも中心的役割を担ってもらっています。

学生なのにそういうことができるだけの実力と見識が彼にはあります。ただの知識ではなく、彼の意志の強さにまわりも導かれるのです。

もともとの素晴らしい素材に努力が加わり、今回はまた一段と成長した姿でこの企画に登場してくれました。脚本の雀空さんも彼が演じることを踏まえて書きました。その彼も「てっちゃんの成長がほんとすごい」と感心していました。

卒業してからはイタリアへ留学します(新型コロナでしばらく渡伊が難しい状況ですが)。これからどんなプロ歌手へと階段を登っていくのか、とても楽しみです。


今回のドン・ジョヴァンニは少しサイコパス的なイメージというてっちゃんの役作りで少し普段のオペラでは感じられないドン・ジョヴァンニが表現されていたと思います。

一流の音楽家に必要な要素としてエネルギーがあります。聴衆に発散するエネルギーによって自分の世界に引き込むのです。そういったものがもともと備わっている人がいますが、その一人がてっちゃんです。


さて、この作品でもう一人主役ばりに出てくるのが従者のレポレッロです。映画でいうと助演でしょうか。

今回のレポレッロ役はてっちゃんの大学の先輩である和田央(わだあきら)です。通称ワダオー。彼も役にすっぽりとハマって素晴らしかった。

彼は大卒一年目。てっちゃんとタイプこそ違いますが、しっかりと意見を持って自分の役柄に身を置きながら全体に目を配っていました。この企画初めての出演でしたが練習当初から彼に対する信頼は厚いものになりました。

独特の腰の据わった雰囲気は育ちから来るものなのか。彼には周りを安心させつつ空気を締める独特な雰囲気があります。今回、このような演技は初めてとのことでしたが、最初から非常にうまく、オペラの要素と舞台演劇の要素をうまく合わせて細かいところまで演じていました。レポレッロのような役では自分が脚光を浴びていない時の演技も重要です。痒いところに見事に手を届かせるようなきめ細かい表現でした。

ドン・ジョヴァンニから逃げてくるドンナ・アンナの絡み。ドンナ・アンナ役はこの企画の立ち上げから参加してくれている舘野真由花。まゆかちゃんも今回の役にとてもハマってましたね。ネグリジェは今回のために買ったそうですよ。

雀空さんの劇団「イルナップファム」で舞台を見てから演技の方も新しいものを掴んだようでどんどん良くなっています。今回はあまり変化のある役柄ではありませんでしたがドンナ・アンナのシリアスな役柄を見事に表現していました。

アンナの父親である騎士長が出てきます。騎士長役は今回一人二役の宮坂真成。宮坂君の紹介はまた後で。


そして私と雀空さんのこの企画初登場w

二日目は結構うまくいきました。舞台で様になる動きというのは難しいものですね。

ドン・オッターヴィオ役は岸野祐貴。通称キッシー。彼は今回の役柄を作って見事に雀空さんの考えるオッターヴィオ像を表現してくれました。最初の頃は彼の台詞回しがどうにもツボに入って、オッターヴィオのセリフのたびに笑ってしまいました。

オペラの知識も豊富で、この企画初めての出演でしたが演出や動きなどにもたくさんのアイディアを出してとても頼りになる存在でした。

役に徹した台詞回しと伸びのある声で歌う姿とのギャップがまた面白かった。

また、彼の舞台上の動きはとても参考になりました(また舞台に上がることがあるかわからんけどw)。


この先はまた次回。

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